2024/09/16 PubMedの新着論文の要約(ADHD)

ADHDを持つ子供における成長の遅延と身長の短さ:1つの三次医療小児内分泌センターで成長ホルモン刺激試験を受けた493人の子供を対象とした回顧的研究」

  • 目的: ADHDを持つ子供における成長ホルモン(GH)欠乏が稀であると仮説を立てた。本研究の目的は、精神刺激薬を服用しているADHDの子供や特発性矮小症(ISS)の子供を含む、GH刺激試験を受けた子供たちにおけるGH欠乏の有無を含む明確な臨床または生化学的パラメータを特定することであった。
  • 方法: 1998年から2013年にかけて1つの三次医療小児内分泌センターでGH刺激試験を受けた子供たちを対象とした回顧的断面研究。臨床データには年齢、性別、人類学、思春期ステージング、骨年齢、欧州小児内分泌学会(ESPE)による診断コード、GH刺激試験の結果、甲状腺機能検査、血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)およびインスリン様成長因子結合タンパク-3(IGFBP-3)のレベルが含まれていた。
  • 結果: 研究期間中、493人の被験者が矮小症の検査のためにGH刺激試験を受けた。ADHDの診断を受けた子供は51人であり、残りの子供たちのうち特発性矮小症(n=240)、GHD
  1. /-低下性視床下垂体機能不全(n=60)、他の矮小症原因(n=142)がいた。ADHDの子供たちは年齢が高く、身長と体重のSDSが高く、GHは十分であった。ADHDを持つ51人全員が正常な血清IGFBP-3を持っていたが、このうち20人が血清IGF-1が低かった。
  • 結論: 精神刺激薬を服用しているADHDの子供においてGH欠乏は稀である。ADHDを持つ子供においてGH検査は必要ないかもしれず、特に血清IGFBP-3が正常範囲内の場合。IGFBP-3がADHDの子供におけるGHの十分性の代替マーカーとして使用できる可能性が示唆されるが、これはより大きな研究グループで確認する必要がある。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39277901

Alcoholについて

  • 母親が授乳中にアルコール(エタノール)を摂取すると、母親の飲酒パターンによって複雑な影響があり、5ドリンク以上を摂取すると母乳放出が減少し、母親のアルコールレベルが下がるまで授乳が妨げられる。
  • ビールは、大麦とホップからの多糖からくるため、授乳中にセラムプロラクチンレベルを上昇させる可能性がある。また、ノンアルコールビール摂取後は、ミルクの抗酸化能力が増加するが、ミルク中のアルコールレベルは無視できる程度。
  • アメリカの調査では、ギャラクトゴーグとしてビールを使用した102人の母親のうち、42%がそれがミルク供給を増やすと考えていた。
  • アルコール摂取後の授乳は、乳幼児のミルク摂取量を20〜23%減少させ、不安や睡眠不良を引き起こす可能性がある。
  • 母親が授乳前にアルコールを摂取すると、後のミルク中のアルコール量がわずかに減少する場合がある。
  • アルコールの日常的な重度の摂取(1日2杯以上)は、母親が乳児を授乳する期間を短縮させる可能性がある。
  • 授乳中の母親のアルコール摂取が乳幼児の学業成績に否定的な影響を与える可能性がある。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30000529

Familial coaggregation of major psychiatric disorders and

neurodevelopmental disorders among first-degree relatives of
individuals with generalized anxiety disorder.

  • 研究背景

- 不安障害、精神疾患統合失調症や主要な情動障害)および神経発達障害自閉症や注意欠陥/多動性障害[ADHD]など)は、家族内でクラスターを形成する可能性がある。
- しかしながら、一般性不安障害(GAD)患者の第一次親族(FDRs)が神経発達や主要な精神疾患のリスクが高いかどうかは不明である。

  • 方法

- 台湾国民健康保険研究データベースから、GAD患者のFDRs 2,378,190人と出生年と性別が一致する比較対照群9,512,760人を特定した。
- 神経発達障害自閉症ADHD)および精神疾患統合失調症双極性障害、重度うつ病強迫性障害、GAD)を特定した。

  • 結果

- GAD患者のFDRs(親、子、兄弟)は、GADのいない個人のFDRsよりも、統合失調症(相対危険度:1.22)、双極性障害(1.36)、重度うつ病(1.29)、自閉症(1.20)、ADHD(1.52)、強迫性障害(1.21)、およびGAD(1.61)の診断を受けやすかった。

  • 結論

- 当該研究の結果は、GAD、主要な精神疾患、神経発達障害の間に家族内の共同集中があるとの考えを支持している。
- 今後の研究では、この家族内共同集中の明確な遺伝病因を解明すべきである。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39277032