タイトル:ECHOコンソーシアム内の子供における産科での合成オキシトシン暴露、母親のBMI、および神経発達に対する影響
要約:
- 背景
- 合成オキシトシン(sOT)は分娩中に頻繁に投与されるが、胎児のsOT暴露が脳の発達や神経発達障害のリスクと関連している可能性があるという懸念がある。
- 大規模で多様な子供のサンプルを用いて、分娩時のsOT曝露データと後の注意欠如多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断を持つ子供を対象に、以下の仮説を検証した。
1. 分娩時のsOT曝露は子供のADHDやASDの発症リスクが高まる。
2. 性別によって関連が異なる。
3. 分娩時のsOT曝露とADHDやASDの関連は、事前に肥満の母親の子供で顕著になる。
- 方法
- 研究サンプルは、Environmental Influences on Child Health
Outcomes(ECHO)コンソーシアムに含まれる44のコホートサイトから12,503人の参加者で構成されている。
- 混合効果ロジスティック回帰分析を用いて、分娩時のsOT曝露と子供のADHDまたはASDとの関連を推定した。
- 母親の肥満(妊娠前BMI≧30 kg/m2)と子供の性別について効果修飾を評価した。
- 結果
- 48%の参加者で分娩時のsOT曝露が確認された。
- sOT曝露はASD(補正オッズ比[aOR] 0.86; 95%信頼区間[CI] 0.71-1.03)またはADHD(aOR
0.89; 95%CI 0.76-1.04)の発症リスクの増加と関連していなかった。
- 子供の性別による関連の差は見られなかった。
- 妊娠前肥満の母親の中で、sOT曝露は子供のADHD発症リスクが低下していた(aOR 0.72; 95%CI
0.55-0.96)。肥満のない母親の中では関連が見られなかった(aOR 0.97; 95%CI 0.80-1.18)。
- 結論
- 大規模かつ多様なサンプルで、分娩時のsOT曝露と子供のADHDやASDの発症リスクに関連が見られなかった。
- 仮説とは逆に、妊娠前肥満の母親では、sOT曝露は子供のADHD診断のリスクが低下していた。